機能の維持のための体操　その2

前回に引き続き今回も機能維持のための体操を紹介します。今回は筋力低下を防ぐための体操です。

上の写真のような「セラバンド」を用意します。(スポーツ用品店等で2000円前後で売っています)　上の写真では黄→赤→緑→青→黒、の順にゴムの強度が強くなります。高齢な方、筋力低下の著しい方は黄色か赤で行うといいでしょう。また、このような特別な道具でなくても、自転車のゴムチューブや荷造り用のゴムロープでも役割を果たすことは可能です。ゴムの伸び具合で強度の感じ方に差が出ますが、これに注意すれば工夫次第で身近なものを使用して行うのがいいでしょう。

（2）ゴムバンド体操

　ゴムの弾力を抵抗にして身体を動かし筋力をつける運動です。手順に沿って各運動を30回ゆっくり伸ばすように動かします(30回出来ない人は出来る回数までで結構です。徐々に増やしていって下さい)。ゴムの巻き方、強度によって感じ方がかなり違いますが、30回で少しつらいというくらいが適度です。やってみるとわかりますが、一回で簡単・楽な運動でも30回というのは意外とつらいものです。この「つらさ」が筋力をつける効果があるので、無理でなければ少し頑張ってやってみましょう。ひとりだと長続きしない運動も、グループで交代で号令をかけやってみると意欲が出ていいでしょう。是非家族・友人同士でやってみて下さい。

A、ゴムバンドを膝に巻いて行う運動

• 左右同時に股を開く運動
  →
  ゴムバンドは写真のように膝の上に巻く。左右同じように開くように広げる。これを30回繰り返す。
  

• 右足だけ開く運動
  →
  最初の位置から右足だけ開くようにする。30回繰り返す。
  

• 左足だけ開く練習
  →
  同様に最初の位置から左足だけ開くようにする。30回繰り返す。
  

• もも挙げ　右足
  →
  右足を出来るだけ上に上げる。反動をつけてやったり、足踏みのようにならないように、ゆっくりあげてゆっくりおろすようにする。30回繰り返す。
  

• もも挙げ　左足
  →
  左足を出来るだけ上に上げる。反動をつけてやったり、足踏みのようにならないように、ゆっくりあげてゆっくりおろすようにする。30回繰り返す。
  

• 最初に戻って　左右同時に股を開く運動
  →
  最初に戻って左右同時に股を開く。
  

B、ゴムバンドを足首に巻いて行う運動

• 左右同時に股を開く運動
  →
  ゴムバンドは写真のように足首に巻く。左右同じように広げる。これを30回繰り返す。
  

• 右足を前にけり出す運動
  →
  両足を写真のように後ろに引き、右足を前へけり出すように伸ばす。左足の位置が動かないように注意。30回繰り返す。
  

• 左足を前にけり出す運動
  →
  同様に今度は左足を前へけり出すように伸ばす。右足の位置が動かないように注意。30回繰り返す。
  

• 右足を後ろに引きつける運動
  →
  両足を写真のように揃えて前に置き、右足を後ろへ引きつける。左足の位置が動かないように注意。30回繰り返す。
  

• 左足を後ろに引きつける運動
  →
  同様に今度は左足を後ろへ引きつける。右足の位置が動かないように注意。30回繰り返す。
  

• 最初に戻って　左右同時に股を開く運動
  →
  最初に戻って、左右同じように広げる。30回繰り返す。
  

• 足を前後に動かす運動のヴァリエーション
  →
  足を右足は前、左足は後ろ、と同時に動かす。30回繰り返す。
  
  →
  今度は左足が前、右足が後ろ、と同時に動かす。30回繰り返す。
  
  ※慣れてきたら、これらは左右交互に動かしたり、前後だけでなく、斜めの動きを入れたりしてもよいでしょう。工夫して行ってみて下さい。
  

注意　これらの運動はあくまで筋力をつける目的で行っています。関節の動きをよくする、日常生活動作の機能を維持するためにはこれだけでは不十分です。普段から横にならない規則正しい生活、自分のことは自分でする生活態度等が大切です。また、今回の体操は安全面を考えて椅子に座って行えるものを選びました。活動度を上げるためには立ち上がりの練習や歩行練習などより活発な運動が必要になります。これらが楽に出来るようになったら、また物足りないと感じる人はさらにステップアップしていろいろな運動に挑戦してみましょう。

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