11月1日(月)早朝
母親の退院に合わせて、
押入れや物置の断捨離に務めたわけだが、
今までの経験から言って、
いずれ使うかも知れないと思って
取っておいてもまず使った試しはない。
本当に必要なものは
最初から手元に置くものであるし、
未来が短くなった今となっては、
使うかどうか吟味する眼は
益々厳しくなったように思う。
そもそも空きスペース自体を
確実に少なく見積もらないと、
あれもこれもと取っておきがちである。
断捨離はまず自分の心の中から始めないといけない。
11月5日(金)早朝
2ヶ月半ぶりに母親が退院した。
しかし私にとってはここからが正念場である。
ベッドのレンタルやら訪問入浴の申込みやら、
介護保険の区分変更も手配しなければ。
こんな時、単身赴任だと思うようにいかず
なかなかもどかしい気持ちになる。
殆ど連れ合いに依存するところばかりで
申し訳ない気持ちでまたまた気持ちも滅入ってくる。
まあでも仕方ない。
これも試練と思い、
今はとにかく出来るだけ家に帰るように尽力するのみ。
それでなくとも私のような立場はまだ恵まれているわけだからね。
11月10日(水)早朝
退院した母親の飲まなければいけない薬の量が半端ない。
おそらく自分一人では管理できないであろう。
そう考えるとなにも服薬を必要としない状態の
なんと幸せなことかと改めて思う。
健康のありがたみは失って初めて気づくか
身内がそのようになってこそわかると
つくづく思い知らされた。
11月14日(日)早朝
母親のリハビリテーション実施計画書を読ませていただいたが、
それぞれの職種の思いが透けて見える。
ここでもやはり家族より職業的なことの方が先に来る。
こう思うのは、
やはり両者が対立的な構造だから。
この機会にいろんな学びを得ようじゃないか。
11月18日(木)
やれやれ、
このひと月あまりタスクを詰め込みすぎて
身動きが取れなかったわけだが、
ここに来てやっと少し
周りが見渡せる程度にはなってきたかな。
それでもまだ大きな仕事が
いくつか控えているので気が抜けないのだけどね。
まずは依頼されている執筆の方を目処をつけなければ。
11月21日(日)早朝
母親の介護度の区分変更の結果が戻ってきた。
要介護1だったのが
要介護4になってしまった。
まあ病気が病気だとはいえ、
こんなに短期間で悪くなるとはね。
いろいろと予断を許さない状況である。
本日は弟も来るし、
少しは笑顔が戻ってほしいものである。
11月26日(金)夜
11月22日午後4時6分に母親が息を引きとった。
肺癌がすでに身体のあちこちに転移しており、
発病して3ヶ月の命だった。
なんとか投薬で痛みのコントロールができそうとのことで、
10月末に退院し、
3週間ほどではあるが
自宅に帰って過ごすことができたのは
本人にとってもよかったのではないかと思っている。
87年の生涯、様々な困難があったことだろう。
私自身は苦労をかけっぱなしだったように思う。
まだまだ親孝行をし足りない中で
あっという間に逝ってしまったので
なんだか気持ちの整理が追いつかない。
それでも陽はまた昇るし歳はとっていくのである。
今はひとまず深呼吸をして、
ちゃんと前を向こうじゃないか。
それが恩返しになると信じて。