2023年9月24日(日)
過ぎにしも今日別るるもふた道に
行く方知らぬ秋の暮れかな。
亡くなった人も今日別れて行く人もそれぞれの道に
どこへ行くのか知れない秋の暮れだなあ。
源氏物語 第四帖 夕顔 第七章 空蝉の物語(3) より
お彼岸を迎え、妻と母の墓参りを済ませて、この歌が頭をよぎった。
これは源氏物語の夕顔にある源氏が詠んだ歌である。
千年以上も昔の歌でありながら、今の私のこころにも通ずる詩に
どれだけ月日が経っても愛しい人を思う気持ちや悲しみは変わらないのだと改めて感じ入る。
平時の毎日に戻ったとはいえ、
永遠の別れの辛さはまだまだ癒えないものである。